純愛小説家
三嶋を苦しめて、泣かせているだろうことは、分かっていた。

分かっているつもりだったけど。


「ふ…っ…う…」


実際、こんなふうに目の当たりにすると、


“─────"


さすがに堪えた。

俺は何も、


─分かってない…


歳だけ重ねて、大人になったつもりでいたけど。
まだまだ全然。

子供(ガキ)でしかない…。


“……………"


泣いている三嶋を腕に。
俺はただ、天井を仰ぐ。

ここで、きつく抱きしめて。


『大丈夫。俺はすべて、知ってるから。その上で、一緒にいるだけだから…』


三嶋を、楽にしてやる勇気さえもなくて…。

< 118 / 298 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop