純愛小説家
でも…。

シャワーからあがって、


─フッ…


俺は目を細めて、苦笑する。

寝室、ベッドの上。

琴音は静かな寝息をたてて、ぐっすり眠っていた。

まぁ、ある意味。
予想通り。


「…おやすみ」


俺はそんな琴音の頭をそっと撫でると。


─パタン…


寝室のドアを閉めた。

琴音も、相当疲れてるんだろう。

それに。
今回は、いつもと違うんだろう。

ここは都内じゃない。

引っ越し先も教えてない中、わざわざ捜してまで俺を訪ねてきた。

まぁ、ほんとに。
ただ単に疲れて。
おそらく、バレることはないだろう、俺のところへ、休みたくて来ただけかもしれないけど…。

< 161 / 298 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop