純愛小説家
なにげに緊張してるのか。
食欲もわかず、ミルで豆を挽いてコーヒーを淹れる。

今日は雨。

しとしとと降る雨を、ぼんやり眺めながら。

別れの日…って感じだな…。

苦笑した。

三嶋の目に入らないよう。
あえて仕事部屋のデスクに置いたそれ。

受け取ってもらえない。
返されると分かっているのに、そんな物を買うなんてバカかもしれない。

資料や書類で雑然としているデスクの上にちょこんと置かれ。

違和感さえある。

もし、フツーにつき合っていたふたりなら。
おそらく、喜んでもらえるはずの物なのに…。

行き場がなくなるだろうそれを。
俺はその後どうするのか。
まだ考えてはいなかった。

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