純愛小説家
「新作。早く読みたいって言ってたから」
「そう、だけど、私…」


さすがに。
今日は何とか話そうと、戸惑いを見せながらも続けようとする三嶋。

それでも。


「主人公は、男。高校卒業してから地元を出て、東京の大学に進学。そのまま就職して、もう地元に戻る気はなかった」
「宥……」
「でも。その男にはずっと忘れられない相手がいて、昔からの友人に、彼女が地元にいると聞いて。地元に戻ってくる。この想いを終わらせるために」


俺はあえて、小説の話をする。

三嶋から。
切り出せないよう、するために…。

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