純愛小説家
じゃあ、マグカップさげるね、と、三嶋はそれをさげて洗い終えると。
俺に気づかれないよう、小さく息を吐いて。


「…宥」


声のトーンを少し落として。
向かい側。
ソファーに座った。

いよいよ。





その時────。





─ふぅー…


俺は、軽く目を閉じて。
心の中で息を吐くと。


「あのね。私…」


何とか覚悟を決めて。


「いま書いてる小説の内容、教えようか」


“それ”を、始めた。


「…えっ…?」


俺がこの数日。
思い描いていた、それを…。

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