純愛小説家
実際。
東京で、ほんとに気を許せるのは琴音だけだったし。

琴音がいてくれたおかげで。
三嶋のことからも、何とか立ち直れた。

ただ…。

未だ、気持ちは、俺の中にあるけど…。

そして。
あの、青い箱。

それも未だ捨てられず。
仕事部屋の、引き出しの奥に。
ひっそりと、しまってあった。

この先。
行き先はないんだと、分かっていながら…。

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