純愛小説家
今まで、そんなふうに思ったことはなかったけど。

俺はやっぱりどこか冷めてて、大事な部分が欠落していたんだろう。

小説家という職業に就いて、運良く、ベストセラー作家の仲間入りが出来て。

そんな俺を目的に近づいてくる人ばかりを相手にしなきゃいけないのは、それに対しての代償なんだと、どこかで諦めてた。

成功に対しての、代償…。

それを利用してたのも事実だし、俺がこの仕事を辞めるか、世間に飽きられる日が来ない限り。

“俺自身”を見てくれる相手なんて現れないんだと、そこも諦めてた。

と言うよりは、そこも冷めてた所なんだろう。

近づいてくる、相手のせいにばかりして…。

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