純愛小説家
そもそも。
純愛って何なんだろう。

俺の書く小説を、世間はこぞって純愛だと言うけど。
俺にはいまいち、ピンとこない。

俺自身がこういう人間で。
(きっとどこか冷めてる)
あえてそれに対して、何も言わないせいもあるんだろうけど。
出版社側も、それで売っていきたいらしいし…。

それでも。
キレイな表現、言葉ばかり使ってるわけじゃない。
ただ自分が書きたいように、文字を連ねてるのに。

この数年。
未だにそれが解せないし。
純愛小説を書いているつもりも、俺にはなかった。

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