純愛小説家
もしあの時。
ただこの気持ちを伝えていれば……。


『あれ…?いま歩いて来てるの、藍田クン、じゃない?』
『えっ?あっ…』


でもあの時。
俺はただ、何となく。
今は、


─このままで…


感じていたような気がする。


『見たことないコ連れてる』
『…三嶋』
『ん?』
『連れはいいから。藍田ねらいな』
『えっ?』
『三嶋、顔ねらって』
『え、河合クン?』
『背中に入れてやる』


藍田の隣にいたのは、念願叶って、の、ずっと想い続けてた相手。

しっかり手を繋いで、ピッタリと寄り添って。

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