農民生まれの魔女


イヴが悲しげな顔をすると

「だんだんとこの屋敷に慣れてゆくと良い
それにアレンも居ろう、今後仲良くしてやって
ほしい」


「じゃあ改めて宜しくね私はイヴ」

手をこちらに向けてにっこりと笑うイヴを見て



アレンはその時胸がキュッと締まる感覚を初めて知った
しかしこの感覚の正体を知るのはもう少し後の事である


「じゃあ、養子縁組の手続きに行くぞ〜」

おじさんはノリノリでそう言ったが
私の心の中には未だ違和感が残っていた

お母さんとお父さんはとてもじゃ無いけど
お金持ちとは言えなかったし
お金持ちの知り合いの陰も無かった


本当に私の知らない間に預けたのか
もしそれが本当だったら
私はもうお父さんとお母さんには会えない様な気がした
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