素直になれない雨と猫



「よく会うね。やっぱりこの辺に住んでるんだ?」

「住んでません」

「え、じゃあ野宿?」

「屋根はある」

「じゃあ住んでるんだよ。そこが君のお家でしょう」



屋根があるかどうかが基準になるのだろうか。

疑問に思ったが、もっと不思議なのは彼と普通に会話していることだった。

できればこれ以上関わりたくないのに。



「僕はね、憂(ゆう)っていうの。僕もこのあたりに住んでるんだよ」

「聞いてません」

「この子たちに話してるの。ねー、にゃんこ」



彼が野良猫たちに話しかけると、彼らは一斉に「にゃー」と鳴いた。

よく訓練されている。餌に騙されたんだな、と一人納得した。

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恋愛(学園)14ページ

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平凡で充実した学校生活が私を待っていると信じていた頃がありました。 「君を生徒会書記に任命しよう」 「は?」 それは女子トイレで交わされた会話。 「生徒会食器?」 「生徒会書記だ!」 目の前の人物は耳に響く馬鹿でかい声量で半ば怒鳴りつけるようにしてそう口にした。 その手には金色に輝くウィッグ。 まったくもって状況が理解できません。 「あなたはだれですか?」 「私か? ふん、私の名前も知らんとは、この学校の生徒とは思えんな。私の名前は雨宮瀬栖(あまみや せす)」 そこまでいうと一拍間を置く。 そして勝ち誇ったような笑みを浮かべてこう言った。 「生徒会長だ!」

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