夢の言葉と虹の架け橋【夢の言葉続編①】
【ヴァロン16歳/夢の配達人隠れ家】

「…あの、ヴァロン君。
リディアさんから伝言だよ。
今夜家に帰ってこい、って…。」

「……。」

仕事から帰還した俺に、
ギルバートが少し遠慮気味に話しかけてきた。
ギルバートは年齢が俺より6つ上で銀バッジ。
奥さんがリディアと友達とかで、
何かと絡んできて面倒臭い。
(この時知らなかったがアカリの父親だ。)

俺は休憩所の椅子に座ると、
ギルバートを無視してテーブルに頬杖をつきながら水の入ったボトルに口付ける。

家に帰る気なんて、
リディアに会う気なんてなかった。
どうせまた、
仕事に対する小言を言われるだけだ。


「……。
最近、何処に泊まってるの?」

ギルバートは俺の隣に座ると、心配そうな表情で尋ねてきた。
ギルバートは優しい男だ。
天然で純粋で。

この頃の虫の居所の悪い俺にとっては、
最高に当たりやすい性格だった。
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