好きだと思うんですがっ！？

そう考えると星野くんと目が合うって思ったいたのは、本当にあたしの勘違いだったのかもしれない。

だって古柳くんだってこんな事言ってるけど、あたしにはこれっぽっちも心当たりなんてないのだから。


あたしの脳がグルングルンと色々な事を考えている間に、古柳くんはさらに言葉を続けた。


「だからさ、俺気づいてたよ、浮田さんが誰を好きなのか。慌てて割って入ろうとしてこんなザマ」


あははっ、ダッサいね……なんて力ない声でそう言うけど、あたしはその言葉に胸を締め付けられそうになった。


「ねぇ、浮田さん。俺にしときなよ」


古柳くんはきっと、本当にあたしの事を大切にしてくれるんだと思う。

きっと、古柳くんの彼女になる人は幸せだと思う。

それに、爽やかに微笑む彼の笑顔があたしは好きだし、古柳くんには笑っていて欲しいと思う。


だからこそ、あたしは言わなければならない。


「……ごめんなさい」


気持ちに気づいてあげられなくて、ごめんなさい。


あたしの失礼な態度にも気を悪くせず、優しく接してくれてありがとう。


それなのに、古柳くんを選べなくてごめんなさい。


それでも、好きになってくれてありがとう。