好きだと思うんですがっ!?
その声の様子は、いつもの星野くんだった。
いつもの星野くんの柔らかい口調。
いつもの、ほんの少しだけ甘えるみたいな、それでいて照れを隠してるみたいな、そんな口調。
「……」
あたしは言っていいのだろうか。あたしの気持ちを今、ここで言ってしまってもいいのだろうか。
そんな疑問が頭を過る。
だって星野くんには木田さんがいる。
こないだまではいなかったはずの彼の隣に、今はもう、彼女がいる。
それなら言う意味はあるのだろうか。
言わない方が角が立たなくていいんじゃないだろうか。
星野くんのいつもの口調が、あたしの頭を冷静にさせていく。
それと同時に、冷静さを取り戻しつつあたしは、感情をセーブする術を取り戻そうとしている。
それによって、あたしの口はまるで見えない糸で縫われでもしたかのように、頑なに動かない。
さっきまであんなに簡単になんでも口にしていたくせに。
そんな様子のあたに向かって、星野くんは小さくため息を零した。
「ほらな、浮田はいつもそうだろ。誤魔化すか、黙り込む。俺には浮田の気持ちが見えねーよ……」
その言葉はどことなく諦めたようで、どことなく、幻滅するように。