好きだと思うんですがっ!?
星野くんが言った言葉とその声に、あたしの中の何かがカチリと音を立てた。
その音はまるでパズルのピースがはまった時のような音でもあり、止まっていたままの時計の針が突然動き出したようでもあった。
それと同時にあたしは、その時初めて喉の奥に引っかかっていた小骨が胃に落ちていくのを感じた。
ずっと引っかかってた。
というか、引っかかってる事にすら今の今まで気づいてなかった。
ずっとあたしの中で消化されずに留まっていた疑問。
どうして星野くんはいつも誤魔化すんだろう、どうしてはっきりした態度や言葉を取ってくれないんだろう、そんな風に思ってた。
でも違ったんだ。
きっと、誤魔化してたのは、星野くんだけじゃなく、あたしもだったんだーー。
あたしの事が好きでしょ?
あたしはそう問いかけて、星野くんからのイエスの返事を待ってた。
だけど以前一度、星野くんは返事の代わりにこう言った。
浮田こそ、俺の事が好きだろ?
そう言われるとあたしは誤魔化して返事をしなかった。
でも、あたしがそう聞かれた時はまだ、星野くんへの気持ちに確証なんてなかった。
木田さんの事があって、気持ちに気づいてからはもう、言えなくなってしまっていたんだけど……。
「……星野くんだって、いつも誤魔化すじゃん」
誤魔化すし、逃げる。全然男らしくない。
あたしも誤魔化すような態度を取ってしまっていたかもしれない。だけど、それは星野くんにだって言えるんだし。
それにやっぱりあたしは、自分から好きって告白するよりも、好きだって言われたい。
素直じゃないかもしれないけど、先に言ってもらいたい。
それが世の女子の希望であり、願いだとも思う。
乙女はみんな、きっとそうだ。