好きだと思うんですがっ!?
あたしはこの空気を変えたくて、話を変えようと違う話題を探した。

ちょうどその時、校庭にチャイムが響き渡って、その音にはっとした。

今何時なんだろう。



「ねぇ……どーでもいいけど、部活は出なくていいの?」


そう言えば古柳くんは部活に行くって言ってなかったっけ?だったら星野くんだって行かなきゃいけない時間のはず。

というか、とっくに始まってるんじゃないだろうか。


「話の出だしにどーでもいいとか付けてから聞くなよ」

「じゃあ別にどっちでもいいけど、部活はいいの?」

「浮田 真依子はほんとあー言えばこー言うヤツだ」

「星野 奏太はいちいちうるさいヤツだ」


そう言い返すと、星野くんはははっと笑った。

それはあたしの記憶の中で止まったままの、星野くんの笑顔だった。


「浮田はどうするんだ?」

「あたしは今日はもう行かない」

「なんだ、ダイエットしろよ」

「余計なお世話だ」


相変わらず失礼なヤツだ。

そう思いながら、心地よいやり取りにあたしの頬が緩んだ。


「俺も、今日は休む。もうとっくに始まってるし」


星野くんはあたしで暖を取ろうとしてるみたいだ。顔まであたしの腕の中に埋|《うず》まる勢いで抱きしめ続けている。


「それにもう、それどころじゃないし」


そう言って、さらにギュッとあたしを抱きしめた。

そんな甘い時間の中、あたしはーー。


「……ふえっくし!」


再び鼻の奥がムズついて、星野くんの胸元めがけてくしゃみをひとつ。


「……おい。なんでこのタイミングでくしゃみなんかするんだよ」


星野くんは不満そうな顔を上げて、鼻をさするあたしを見つめる。


「しかもそのくしゃみと仕草、色気ねー……」


今度は不満顔から呆れ顔に変わった。


「そんな事言われても出るもんはしょうがないじゃん。寒いし、風邪ひいたのかも」

「じゃあ、俺に移せば?」


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