アラビアンナイト
「ありすにあげたコレ」
そう言って、彼の手が私の手首に伸びてきた。
私もつられるようにして、ジェイクからもらった腕輪をつけている左手に視線を移した。
ジェイクは私の左手を大切そうに掴んだ。
私の左手首には5年前にジェイクからもらった黄金の腕輪。
幅は1cmくらいのバングル型で、缶からこぼれ落ちたドロップスみたいに、いろんな色をした宝石が、それぞれ四角にカットされて隙間なくぎっしりとはめ込まれている。
子供の頃はなんとも思わなかったけど、さすがに今なら…それにジェイクが本物の王子だって聞いた後だからなおさら、この腕輪に使われているカラフルな宝石たちがガラスなんかじゃなく本物の宝石だとわかる。
1つ1つの宝石の値段なんてさっぱりわからないけれど、これってもしかしなくても、とんでもない代物なんじゃ…これが噂のプライスレスってやつ???
なんて世知辛いことを思いながら腕輪を見つめていると、ジェイクの長い指が腕輪の中の宝石の1つをそっとなぞり、それが合図みたいになって話し始めた。