溺愛されてもわからない!

一夜はまだ寝てるので
月夜とお母さんと一緒に朝食。
私が心配かけたせいか
幼稚園児の態度がツンです。

ごめん。

「クッキーすごく美味しかったよ月夜」

「あたりまえだ」

「今度また作ってね」

「お姉ちゃんと一緒じゃないと作んない」

ツンデレだなお前。
将来不安。
一夜以上のたらしに育ったらどうしましょう。

「心配かけてごめんね。もう大丈夫」

月夜の頭をコツンと叩き
美味しい朝食を食べてから私は二階に上がる。

一夜の部屋を通り過ぎてから
ふと振り返る。

まだ寝てるよね。
一夜にもいっぱい心配かけた。
一夜はドS王子だけど私に甘すぎる。

「ありがとう」ドアの前で本人に聞こえない様にお礼を言い、自分の部屋に入ってスマホと向き合う私。

雫さん
まだ寝てる?
とりあえずLINEを入れよう。
もう逃げないよ私。
逃げまくって
とんでもない事になったんだから。もう逃げない。

深呼吸してスマホに指を滑らせる。
雫さんに時間がある時に会いたいと連絡。

書き込んですぐ既読が付き

なんと本人から電話がかかってきた。

ちょっと待って!覚悟がっ!心の準備を私に下さいっ!
心拍数が一気に上がり
慌てる手でスマホを一度落としてからまた拾う。ウロウロしすぎっ!しっかりしろっ!

「もしもしっ?」
気合入り過ぎの私の声が、雫さんに伝わってないように願う。
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