溺愛されてもわからない!
だから何度も言われてたのに②


次の日の朝
学校へ行くと
雫さんが数人の友達と生徒玄関に立っていた。

笑ってる。機嫌よさそう。

「おはよう」
私は元気に駆け寄り
その輪の外から声をかける。

いつもなら
「すみれ。おはよー」って
一番先に雫さんが気付いて私に声をかけてくれて、私も輪の中に入ってみんなと話をするんだけれど……今朝の雫さんは伏せ目がちに「行こう」って友達に言い、私をスルー。いつも仲良しな私と雫さんが変な雰囲気になっているので、周りも困ったような顔をしていたけど、クラスカーストのトップ的な雫さんなので、雫さんの言う事を聞いて、みんなも私をスルー。

そんなもんか……いや、負けないぞ。
雫さんを傷付けたのは私だ。
許してもらうまで
頑張ろう。

都会の学校は空気を読むのが早いのか

私と雫さんは、ケンカしました状態でクラスに広まる。

教室では愛美ちゃんと過ごしたり、他の友達とも話はするけれど、愛美ちゃんも含めて、みんな雫さんに気をつかってか私によそよそしい。雫さんの存在が教室で大きいと改めて知る私。

そして一部の私を嫌っている雫さんの取り巻きが、実にイキイキと楽しそうに、教室で私の悪口を言うという……目と耳と鼻はいいんだよ私はっ!全部聞こえてるぜ!

休み時間に、コツンと消し込むが頭に飛んできた
後ろを振り返ると
どこからか「田舎に帰ればいいのに」って言葉と、クスクスな笑い声。

負けるもんか。
雫さんが言ってるワケじゃなし。




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