溺愛されてもわからない!

午後から退院。

家に帰るとリビングでは
天井まで届きそうな
大きなクリスマスツリーが飾ってる。
デカっ!さすが金持ち。

休む暇なく
田中さんと一緒に事務所に行き
残っている組員さんたちに心配かけたお礼を言って、『ちょっと早いのですが』ってピヨピヨもなかを置いてきた。

箱がへこんでいたので、もしかしたらつぶれてるかもしれないけれどお許しを。渡すとみんな感動して喜んでくれたからテンション上がる。組長がアレなので組員さん達も涙目率高し。類は友を呼ぶ?ってヤツ?そのわりに田中さんはクールだけど。

「田中さんにも早いけど」
事務所と家とを繋ぐ渡り廊下で、私は田中さんに用意したプレゼントのハンカチを渡す。

田中さんは鋭い目を少し大きくし
プレゼントを胸に抱き
「額に飾ります」って言ってくれた。

いや
普通に使って下さい。

あとは
明日渡そう。
私のカバンもプレゼントが入った紙袋も無事でよかった。品物の被害は携帯だけで、明日買いに行く予定。
雫さんと愛美ちゃんのは、明日学校で渡すとして……夢君のはどうしよう……。

「少し休みなさい」
お母さんに言われ
田中さんにゆず茶を入れてもらいソファに深く座る。


明日はクリスマスイブ。

もう
今年も終わります。





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