宇宙の彼方─soranokanata─
夏の夜の夢?
「ざぶぅーーーーーーーーい"ーーーーーー!!!!!」
女子らしからぬ声をあげた主は
橋村玲音《ハシムラ レネ》中学3年
二段ベッドの下段で毛布を被りながら悶えていた。
十月にもうすぐ入るが、残暑が厳しいからか、
今日あたりはまだまだ半袖で居られる。
季節感というものをガン無視した玲音の格好に、
姉・詩音はベッドの上の段から、ため息をもらした。
「あんた何やってんの?さっきからうるさいんだけど」
「なんか塾から帰ってきてからずっと寒いんだよぉー!」
「はぁ?風邪でもひいたんじゃないの。」
「まさか!塾にいる間は全然平気だったんだよ!?
それに、咳とかないし!」