宇宙の彼方─soranokanata─
「なんだ、気のせいか」
何の変哲もないいつもの我が家だ。
妙な気配は気のせいだったようだ。
『...ん』
「っ!」
今度は気配だけではなく、わずかな声がした。
「お、お姉ちゃん...だよね?驚かさないでよ〜...」
少し低めな姉とは程遠く離れた、
か細くて高めな声だ。
姉の声では無いことはわかっていた。
勿論、母や父とも声は違うし、第一健康マニアの2人が
こんな時間に起きるはずがないのだ。
「...だれ。だれか...いるの?」
玲音は、恐る恐ると出ていたフライパンを握り
自分の頭上へとかかげた
「空き巣に入るなら、
ほかの家をあたった方がいいと思うなぁー...」