Turquoise Blue 〜空色のベース〜
ゴツ と

音がした


急いで振り向いた



汚れた黒い、スリムのジーンズ
白いガーゼシャツ

…何事も無かった様に
また『彼』は座り込んだ



「…おかえり」


『ただいま』


「…どこ行ってたの」


『トイレ』


「………。
そういう時はねえ!
一言いって行ってよね!
びっくりすんじゃん!」


『…学校かよ』


「それに!こんな暑い日なんだから
ジュースのひとつも
普通買って来ない?!

むしろ、
お茶飲みにどっか入ろうか?!とか
誘わない?!」



『金ねぇし』


「…もおお!
ちょっと待ってて!!
絶対待っててよ?!!」



どかどかと歩いて
道を挟み
斜め前にあるコーヒーショップに入った


「アイスティーL二つと
チーズハムレタスべーグル
三つ下さい!!」





出来るのを待つ間
何度も後ろを振り返った


…よかった

ちゃんと居る





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