Turquoise Blue 〜空色のベース〜



四人でトイレに入ると
鏡を凝視しているリナが居た

唇を突き出して
リップを懸命に塗っている



こっちに気がつくと
茶髪にウェーブ髪を翻して
手を振って来た



「ねえねえ!マキちゃん!
今日練習する時
アタシ、今回のアルバムの
『夢の翼』希望〜!」


「バラード?
コードはシンプルだから
楽器隊は、すぐ行けると思うけど」


「そ〜なんだぁ
じゃあアタシの希望それでよろしく〜」


「OK」



リナは入口の所で待っていた
彼氏らしき人に腕を絡めた


『え?!リナ
ボーカルやってんの?!
すごくね?!』とか話してる



二人が行っちゃってから
ユリちゃんが
「うわ〜 また相手違うのか」と
驚いて呟いた



マキちゃんは
「わはは いつもの事でしょ」と笑い

シノは、
「美人だからね〜 リナちゃんは」
とか言ってる




…私は、

リナは雰囲気美人なだけで
マキちゃんのがメイクしたら
すっごい綺麗になると思うんだ





− 最初は
誰がどのパートとかの話は出てなくて

マキちゃんが、何でも弾けるから
皆で相談して決めようって話あってた



そこに
ほとんど話した事の無い
リナがやって来て


『なになに?!
バンドやるの?!
だったら私ボーカルやりたい!』と

半ば強引に決まってしまった。





そして

シノは鼓笛隊で太鼓やった事あるから
ドラムになって

ユリちゃんはピアノ歴長いから決定で
(私も小さい時少しだけやってた



皆楽しそうに
これからのパートの事話してたから
何も言えなくて
「じゃあ私 ベースやるよ」って

笑いながら言ってしまった







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