君に初恋………ー母の遺した宝物ー
いつも通りの日常。

だけど、俺達の中に流れる空気は少し緩やかでさっきよりは、マシになった。


「優瞳、帰ろう」


「うん、ぢゃあねゆゆ、流愛」

笑顔で笑う優瞳。

先ほどの悲しい表情はしていない。


校門を出て、二人で歩くと周りから注目を浴びる。


「やっぱり、まだ慣れないね」

下を見て俯く。


「明日、何時に行く…?」

「10時かな。それまでに支度してくね」


「ぢゃあ、10時に迎え行くな!オシャレしてけけよ。デートするから」


学校を休んでまで、行くなんて大げさかも知れない。


けど、私にとって嬉しかった。

廉くん、は私が喜ぶ言葉をくれる。



私は、廉くんの話術にハマってしまう。


指を絡めた。


また一歩、また一歩歩き出す。

未来に続いてるみたいに………
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