― BLUE ―

わけがわからないまま杉本に連れられて砂浜へと出た。


「どういうこと…?」

「あー…うん」


連れ出してきたくせに、なかなか話しはじめようとしない杉本。

砂を手にとってはサラサラと指の間を滑り落とした。


「あのさ…」


そして杉本はあたしの目を見ながら、覚悟を決めたかのようにゆっくりと口を開く。


「富山病院……て…、覚えてる?」


富山?


「あ、ああ、うん。おばあちゃんが、よく入院してた病院…」


だったかな。
でもちょっとうろ覚え。

一時期おばあちゃんは入退院を繰り返していた。
よくお見舞いに行っていた記憶はある。

あたしがそう言うと杉本は少し安心したかのように続けた。


「目の前に公園あっただろ?」

「あ、うん」


その公園はよく覚えている。
おばあちゃんのお見舞いに行ったとき、必ずそこで遊んでた。


「俺…小1のころまでさ、あの公園の近くに住んでたんだよね」


懐かしい記憶を思い出しているのか、なんだかあたしには泣きそうにも見える杉本の顔。


「あそこでさ、覚えてない? 同じ……名前の…男の子」





あ。
思い出した。



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