― BLUE ―

「ごめん…あたし…また鼻水出てるかも」

「っていうか出すぎ」


あたしの顔は涙と鼻水でぐしゃぐしゃ。

悲しいときや悔しいときに出るものだと思っていた涙なのに。どうしていまこんなに出るのかわからないけれど、とても温かい涙。


「おまじないしてあげよっか?」


あたしの目をのぞきこんだ杉本が、少しいたずらっぽく言う。


「……いらない…」

「ふーん」

「でも……やっぱ…」


話し終えないうちに杉本の唇でふたたび塞がれてしまった。

今度は少し長くて。
だけど名残惜しさを残すキス。


「素直じゃないから、おしおき」


言ってる言葉は軽いのに真っ直ぐなまなざし。
それに顔も赤い。
だからあたしのドキドキは止まらない。

そっと杉本の胸に耳をあててみた。


「よかった……。杉本もドキドキしてる」

「あたりまえじゃん。だって俺さっき手が震えたもん」


またおまじないをしてくれ、強くギュッと抱きしめてくれた。

そのまま気持ちが落ち着くまでふたりでいつものようにぼんやりと過ごしていると、杉本が顔をのぞきこんでくる。


「そろそろ、行けそう?」

「うん」


そして杉本の手をとり立ち上がる。

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