― BLUE ―

「はぐれるなよ」

「わかってるよ」


何回も後ろにいるあたしを確認してくれるので、その度にあたしの思考が途中で止まってしまった。

なんかもう、どうでもよくなってくる。


「ねえシンちゃん、人多いね〜」

「辻いる?」

「はい辻ここでーす」


イベント会場に着くと想像していたよりも多くの人が集まっていた。

夜店も出ているし舞台なんかも設けてあり、やたらとハイテンションな歌が聞こえてくる。そんな人ごみの中、はぐれそうになってもすぐ杉本が点呼してくれるので、はぐれることはなかった。


「もうそろそろはじまる」


しばらくしてカウントダウンが始まったとき振り返った杉本がそう言った。なにがはじまるのだろう。カウントダウンははじまっているのだし。


「こっちどうぞ」


相変わらず奈美に腕を組まれている杉本だけれど、空いてる方の手であたしをそっと隣に引き寄せる。


「……どうも」


年明けと同時に花火が何発か上がったから、それが見えやすいように。これはただの配慮だろう。

だけど杉本の手がそのままあたしを抱き寄せる形で肩の上に乗っていた。なんだかそこだけが熱を持っているかのように、ぽかぽかと温かい気がする。

打ちあがってる花火を見上げる振りをしながら、横目でちらりと杉本を見上げてみるとかなりの至近距離だ。


「……」

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