― BLUE ―
そうか、なるほど。
そういうことね。
きっと奈美はあたしを敵だと思い、わざわざ呼んで見せつけているって訳だ。
そんなことわざわざしなくても、あたしたちはそんな関係じゃないのに。
だけどあたしって超鈍すぎ。そんなことにも気づかなかっただなんて。
「シンちゃーん」
「纏わりつくなよ歩きにくい」
少し前を歩いているふたりの後ろ姿を眺めながら、それについて歩く。これじゃあ、ひとりでいるのと変らない。——とはいえ、杉本が何度も振り返ってくれるので、あたしは力なく笑い返した。
「はあ…」
なにしてるんだろう。
だいたいどうして家庭教師の子がシンちゃんて呼ぶわけ?
それに杉本はあたしのことを苗字で呼ぶのに、あの子の事は名前で呼んでいるし。こんなの傍から見ればどっからどう見ても、あたし完璧"お邪魔"って感じじゃん。
杉本の背中を見つていると、だんだんイラついていくのがわかる。
だけど、どうしてあたしこんなにイラついてるのだろう。
「そんなに大規模じゃないイベントだから」
カウントダウンは数駅先で行われる。
駅から降りたあと、歩きながら杉本が説明してくれた。