彼岸花。
いきなりで、頭が真っ白になる。


「え、いきなりどうしたの。僕が好きなんてそんな」


「彼女さんのこと、忘れられなくていいです。


そんなの、無理だって分かってます。


だけど、私はハルさんの傍にいたいんです。


ハルさんの悲しい心を、少しでも軽くしてあげたいんです...!」


こんな、勇気のいる言葉を、僕のために涙目になりながら言ってくれた。


「でも、僕は花ちゃんのことを傷つけるだけかもしれない。


それに、僕は花ちゃんに傷ついて欲しくない」


「大丈夫です。私、強いんですよ!...って、ダメですよね...」


この子に、応えてあげていいんだろうか。


必死に、こんな僕のために言ってくれた子を。


僕は、これで前に進めるんだろうか。


「...ううん。それじゃあ、一緒に帰ろっか」


「はいっ...!!」


花ちゃん、ありがとう。


...ごめんね。










11月14日。


これが僕と花ちゃんが付き合った日だった。
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