彼岸花。
あれから、1年。


僕は彼女の命日のため、お墓参りに来ていた。


線香をつけ手を合わせる。


そして、「愛しています」と心の中で告げた。


帰ろうとした時、彼女のお父さんに会った。


「こんにちは」


僕が言うと、彼女のお父さんは優しく笑って返してくれた。


「...なぁ、悠くん」


「はい、何でしょうか」


「家にでも、来ないか?」


お父さんの誘いに僕は黙って頷いた。
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