カルマノオト
その言葉と同時に横へ向けられた私の顔。


左の頬に添えられた大きな手には力が込められ、促されるまま彼を右側の視界に捉える。




―――ちょ、ちょっと待って!?




慌てて目を見開いたまま。


気付けばこの視界は彼の顔に遮られ、そのまま唇に温かく柔らかいものが触れる。




「うそぉ、キスしたぁ……!!!!」




隣に立つ奏美は驚きの声を上げ、この光景を見た観客たちも一気にざわめき出す。




―――パフォーマンスって、これ……!?




信じられない。


まさか、公衆の面前でキスされるなんて……!!




「んっ、ふぅんッ……!!」
< 42 / 100 >

この作品をシェア

pagetop