眼鏡とハンバーグと指環と制服と
流石にあれ以来、家にまで来ることはないけど、学校でちょっとふたりで話し
てるだけで、すぐに咳払いされるし。

三者面談だって、——私の場合は、保護者がいないから二者面談なんだけど、
二人っきりにならないようにって、わざわざ同席してくるし。

ほんと……鬱陶しい。

「ゆずちゃん。
教頭先生に、『あの人』はダメだよ」

「……はい。
ごめんなさい」

「イヴはダメだけど。
一日遅れでクリスマス、しよう?
ケーキだって安くなるし」

「……誕生日のとき喜んでくれたから、また焼こうと思ってた」

「あー、ほら、また亜紀ちゃんちに行って……」

「……今年は勇にぃも香代子さんと過ごしたいから、それぞれでって」

「ごめん!ほんとにごめん!」

「……結婚して初めてのクリスマスなのに」

「ごめんって!
その代わり、今度デートしよ?
博多まで行けば、流石に誰にも会わないと思うし」
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