眼鏡とハンバーグと指環と制服と
第十章思ってもいなかった

お正月。
どうしようかちょっと迷ったけど、少しだけおせちを作った。

……何故なら、うちは喪中だし。

だから私は年賀状を出してないけど、夏生は出した。

だって、私たちの結婚はごく一部の人しか知らない。
世間的にはまだ、夏生は独身だ。
なのに妻の祖母が……とかいえないし。


お昼頃に近藤家に顔を出す。

毎年の、習慣。

今年もおじさんは、お年玉をくれた。
勇にぃと歳にぃも。
嬉しいな。

いつもはこのあと、みんなで初詣に行くんだけど、今年は遠慮した。
というか、行けないし。

私とおばあちゃん宛に届いてる郵便物を受け取って、家に帰る。
私の転居先は近藤家ということになってるから、郵便物はこっちに届く。

家に帰ると、持って帰った郵便物を夏生がチェックする。

……携帯に続く、うちの変わった習慣。
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