眼鏡とハンバーグと指環と制服と
郵便物や宅配の荷物など、一度夏生がチェックしないと、私は開けることがで
きない。

これもおばあちゃんが生きてた頃からの習慣。

以前は、おばあちゃんのチェックだった。

死んでからは、夏生がチェックしてる。

ダイレクトメールを外してる、とかでもなく。
それらは普通に回ってくるし。
それでも時々、封も切らずに夏生がシュレッダーにかけてるのを見かけること
がある。

絶対に理由を聞けない、謎の行動。

「ゆずちゃん、これ、ね」

「うん。
ありがとう」

受け取った郵便物をチェックする。

夏生はまた何通か、そのままシュレッダーにかけてた。

受け取った中にはおばあちゃん宛の年賀状が何枚か入ってて、それを見たら、
おばあちゃんのことを思い出して悲しくなった。

「……夏生」

「ゆずちゃん?……大丈夫だよ。
僕がいるから」
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