眼鏡とハンバーグと指環と制服と
今日は夏生、大事な会議があるといっていたから、私の予想ではきっと落ち込
んで帰ってくる。

空いた時間で塾の復習。

夏生からうるさいくらい、
「もうちょっと数学の成績上げてー」
といわれているので、やっぱり数学を重点的に。

「ただいま……」

「おかえりー」

帰ってきた夏生は、うなだれてる。

……予想通り。

「どうしたの?」

「……あのね、僕、三年生はゆずちゃんの担任じゃないんだ」

「だと思った」

「……ゆずちゃん、わかってたの?」

夏生は驚いた顔してるけど……。
ここ最近のこと考えれば、すぐにわかるよね?

「仕方ないよ。
教頭先生、私たちのこと疑ってるんだもん」

「ゆずちゃんは、悲しくないの……?」
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