眼鏡とハンバーグと指環と制服と
お父さんはお昼ごはんを食べずに帰っていった。
美耶子さんが待ってるから、って。

意外とラブラブな感じでやってるらしく、あのあとちょっと聞いて失敗した。

長々と馴れ初めから全部、聞かされちゃった。


「……なんか疲れた」

「お疲れ様。
でもよかったね?
仲直り?できて」

「うん」

ソファーに座ると、夏生が抱きついてきた。
なんか、私のにおいをかぐみたいに、顔をくっつけてくる。

「ところで、ゆずちゃん。
いつからあんなこと、考えてたの?」

「あのね?思い出したの。
小学校のとき、喧嘩したこと」

すっごいびっくりした顔で、夏生は私こと見てるけど……。

そんなに驚くこと?

「あのこと?
僕のことからからかわれて、亜紀ちゃんも一緒になって喧嘩して、男の子に大
怪我させたときのこと?」
< 334 / 613 >

この作品をシェア

pagetop