眼鏡とハンバーグと指環と制服と
大丈夫、もう気にしてないよ?

「……とにかく。
いい機会だから、近藤のおじさんとおばさんにも報告しよ?」

「……夏生、どっか悪いの?」

……急にそんなことをいわれると、不安になってくる。

もうないんだよね、あんなこと。
だっていま、ないっていった。
なのにそんな。

「ああ、ゆずちゃん、そんな顔しないで!
元気だよ!元気だから!
たぶん今年の健康診断も、なにも引っかからないから!」

「……ほんとに?」

「ほんとほんと。
嘘つかない」

「……ならなんで」

「万が一のためだよ。
ほら、事故とかいくら気をつけても、遭うときは遭っちゃうし。
ゆずちゃんをひとりにできないから、できるだけ用心するけど。
でも、もしものとき、ひとりだと困るでしょ?」

「……夏生がいなくなっちゃヤダ」
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