眼鏡とハンバーグと指環と制服と
木曜日。
朝から雨が降ってた。

そのせいか目覚めると、身体がだるい。

朝ごはん作らなきゃ、お弁当入れなきゃ、って思うんだけど、起き上がる気力
が沸いてこない。

ベッドの中でうだうだしているうちに、夏生が起きたのか、隣の部屋で物音が
し始めた。

早く起きなきゃ、って思うんだけど、起き上がれない。

コンコン。

「ゆずちゃん?どうしたの?入っていい?」

「……うん」

部屋に入ってきた夏生は、酷く心配そうな顔をしてた。

「具合、悪いの?」

「……うん。
大丈夫……」

そう返しながらも、やっぱり起き上がることができない。

「熱は……ないね。
きついんだったら学校、休む?」

大きな夏生の手が、私のおでこにふれる。
ひんやりとした手が、気持ちいい。
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