眼鏡とハンバーグと指環と制服と
「……ううん。
学校、行く……。
家にひとりでいるより、まし、だから……」

「あれだったら、近藤のおばさんに頼むけど。
ほんとに大丈夫?」

「うん……。
いつものあれ、だから……。
城崎先生に、なんかいわれるのも嫌だし……」

「わかった。
でも、無理しないでね」

「うん……」

夏生の手を借りて、どうにか起き上がる。
私がベッドから出たことを確認すると、夏生は部屋を出て行った。

いつもより倍以上の時間をかけて、学校へ行く準備をする。
夏生はせかすことなく、待ってくれてる。

「ごめん、朝ごはん……。
お弁当も……」

「気にしなくていいよ。
タクシー呼んだから、今日はそれで行こう」

「……うん。
ごめんね……迷惑かけて……」

「気にしなくていいから」
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