眼鏡とハンバーグと指環と制服と
「……うん」

「あとでおばさんに連絡入れとくから、学校終わったら亜紀ちゃんちに行って
て。
帰りに迎えに行くから。
わかった?」

「でも、晩ごはん……」

「しばらく、家事も勉強も気にしなくていい。
なんにも考えなくていいから」

「ごめんね……迷惑かけて……」

「家族なんだから、気にしなくていいよ。
毎年いってるでしょ?
おばあちゃんのこともあるし、特に今年は、ね」

「うん……。
ありがとう……」

何故か夏生は手をグーパー繰り返すと、そっとあたまを撫でてくれた。
おかげでほんの少しだけ、不安な気持ちが収まった。


会議に行く前にもう一度、私を教室まで連れて行ってくれた。
登校してきてた香織ちゃんを見つけると、私を託して酷く心配そうな顔のま
ま、職員室に行ってしまった。

「夕葵、大丈夫?毎年のあれ?」

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