眼鏡とハンバーグと指環と制服と
莫迦。
ほんとに莫迦。

こんなに教師、続けたい癖に。

そうだね、夏生は教師してるときが、一番輝いてるもん。
私が奪ってしまうなんて、ダメだ。
……うん。

いつものように、夏生がお休みのキスしてくれる。

「ゆずちゃん、なんで泣いてるの?」

「……え?」

慌てて自分の顔をさわると、濡れていた。

「どうしたの?
今日ほんと、おかしいよ?
なにかあった?」

「なにもないよ。
なにもないから……」

そういいつつも。
夏生の腕の中で泣いた。

ごめん。
許してね、夏生。
もうこれからは泣かないから……。


朝起きて、制服に着替えるときに指環の通ったチェーンを外した。
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