眼鏡とハンバーグと指環と制服と
「……はい」
……記憶にない、お父さんの話。
しかも、夏生やおばあちゃんが聞かせてくれたのとは、全然別の。
「もっと話、聞かせてください」
「そうですね……」
珍しく饒舌に、柏木さんはお父さんの話を聞かせてくれる。
それが嬉しくて仕方なかった。
その日以来、何故か柏木さんの私に対する態度が変わった。
……ううん。
いままで私が気付いてなかっただけで、変わってないのかもしれない。
厳しく私に勉強やマナーを教えるのは、芝浦の家で私が嫌な思いをしないです
むように。
だって、私の手を叩くたびに、柏木さんはちょっと後悔の入った顔をしてる。
だから私も、期待に応えられるように頑張った。
ごはんはあれから、コース料理と一般家庭の食事が一日おきに出るようになっ
た。
マナーもだいぶ様になってきたし、私が好きならば、って。
それに、私が好きだっていったからか、時々コロッケを買ってきてくれる。
……記憶にない、お父さんの話。
しかも、夏生やおばあちゃんが聞かせてくれたのとは、全然別の。
「もっと話、聞かせてください」
「そうですね……」
珍しく饒舌に、柏木さんはお父さんの話を聞かせてくれる。
それが嬉しくて仕方なかった。
その日以来、何故か柏木さんの私に対する態度が変わった。
……ううん。
いままで私が気付いてなかっただけで、変わってないのかもしれない。
厳しく私に勉強やマナーを教えるのは、芝浦の家で私が嫌な思いをしないです
むように。
だって、私の手を叩くたびに、柏木さんはちょっと後悔の入った顔をしてる。
だから私も、期待に応えられるように頑張った。
ごはんはあれから、コース料理と一般家庭の食事が一日おきに出るようになっ
た。
マナーもだいぶ様になってきたし、私が好きならば、って。
それに、私が好きだっていったからか、時々コロッケを買ってきてくれる。