眼鏡とハンバーグと指環と制服と
「傍にいないんだったら意味ない!」

……胸が、苦しい。
苦しいよ……!

「もう夕葵さんが苦しんでいるのを見るのが、嫌なんです。
あなたは私に笑顔を見せておきながら、いつもどこかつらそうだった。
きっと晃匡様と結婚されれば、もっとつらくなる。
つらそうなあなたは見たくない」

「そんなの勝手です!
私は夏生がいなくても、柏木さんが傍にいてくれるんだっら頑張れるって…
…!」

「……嘘はよくないですね」

「う、そ……?」

柏木さんの顔がつらそうに歪んだ。

……こんな顔、いままで見たことない。

「夕葵さんの傍にいて、自分が苦しい思いをするのが嫌なんです。
……二廻りも年下だ、親友の娘だ、婚約者がいるんだ。
どう自分に言い聞かせても、あなたに思いを寄せてしまう自分がいる。
しかもその思いは日増しに強くなるばかりで」

「柏木、さん……?」


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