眼鏡とハンバーグと指環と制服と
「うん」

「じゃあ、帰ろうか」

「帰りにスーパーと薬局寄ってね?
トイレットペーパーと今日の晩ごはんの材料、買わなきゃ」

「わかった」

なつにぃと並んで墓地を出る。
手を繋ぎたい衝動を抑えて、後ろで両手を組む。

私よりあたまひとつ高いなつにぃ。

見上げると、ちょっと天パの入った、柔らかい猫っ毛の髪が揺れている。
首には、私と同じシルバーのチェーン。

「どうかした?」

「ううん。
なんでもない」

笑うと、眼鏡の奥の目が細くなる。

私の大好きな旦那様。

並んで歩くときは、ちょっと倖せ。


「あーつーいー。
もう帰りたい……」

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