暁天の星
「なんとなくわかった…。」
「うんうん。ここは安息の場って思ってもらえるのがベストだからさ。」
「安息の場…?」
「そう。だから、心の充電をする、みたいな気楽な気分でいてくれたらいいな。」
なんとなく分かったと頷く那月に晃は優しく微笑んだ。
今はゆっくりでいいと。
全てを理解するにはまだ時間が足りないから。
晃の言う心の充電が、那月にはまだ定かではないだろう。
いつかでいいから何かが変わればいいと思った。
「じゃあこれ。」
彼女から放たれた言葉とともに、晃から那月に手渡されたのは案の定1枚の色紙だった。
黒字に金色で文字が書かれている。
「あのね、この家に来てくれた子にはみんな、漢字一文字を渡してるの。漢字ってわたしが考えたやつなんだけど。」
ヘラっと笑った晃は那月と渡した色紙とを交互に見る。
那月には何ていう字が送られたのか、それがどうしても気になってる菫を膝の上に乗せた。
と思ったらクルッと俺を振り返る。
「リュウありがと。」
どういたしまして。