暁天の星


【晴都】


あいつ〜〜〜。



街へ出る予定だったのに、里香が熱を出したおかげで予定が崩れた。


仕方ねえけど。



俺もまだ早帰り期間だったから学校が終わって即家に帰る。



あ、今日はちゃんと鍵持ってっからな。


家に誰かいるか知らねえけど里香を起こすわけにいかねえから、静かに鍵を開けて家に入る。




リビングに行くとキッチンにいるはずのない那月が立ってやがった。




「おいコラ。何してんだ。」

「あ!おかえりハル。」

「ただいま。」




って違うから。




「いや何してんの?お前。」

「料理。リカちゃんに作るの。」




ほう。



「そりゃご苦労なこった。俺が聞きてえのはそんなことじゃねえんだけど。」

「なに?」

「帰ってくんの早くね?」




小学生は今日から給食だってリュウが昨日の夜に言ってたんだよ。




「お腹痛くて早退したの。」

「ふーん。腹ねぇ…。」

「もう治ったから心配しないで?」



突っ込まれたくない何かがあるような気がして深追いするのはやめた。



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