暁天の星


家までの道を1人で歩く。



デートを断る理由を考えてて熱って…。


バカすぎ…。




とりあえず今は帰って寝よう。




ひとまずリュウと晃に連絡を入れた。


と、すぐ電話がかかってきた。

晃だ。




『里香?大丈夫?』

「うん、寝れば治ると思う。」

『無理すんなよ?』

「ありがとうね。」

『それと悪いけど今日帰り遅くなんだよ。』

「わかった。頑張ってね。」

『リュウとハルに連絡つけとくから何もせずに寝てろよ?じゃあな。』




忙しいのに電話くれたんだね。



あたしとことんダメだなぁ。



でも家族に移したくないから早く治さなきゃね!

今は甘えよう。





もう少しで家に着きそうだった。



あそこの十字路を左に曲がるの。




だけど右の道路によく知ってる顔がある。




「ナツ?」



近づいてみると、やっぱり那月だった。


ガードレールに寄りかかって下を向いている。




「なっちゃん。」



あたしが呼びかけると慌てて顔を上げた。



「リカちゃん…。」

「どうしたの、こんな所で。」


聞いた質問には俯いて答えてくれない。



無理に問い出そうとは思えなくて、手を引いて一緒にうちに帰った。



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