暁天の星
持参したリンゴジュースを妃那ちゃんに飲ませて、その間に菫ちゃんと颯太の手と顔を拭いたら別のお手拭きで机を拭いて、零しそうな妃那ちゃんのリンゴジュースを押さえて。
慌ただしくしてると全員分のご飯を持った晃達が帰ってきた。
「お前らなんか老けた?」
カレーライスを置きながらハルが言う。
「こら、ハル。」
「まあまあ。」
眉を上げた里香ちゃんをリュウが抑える。
「リュウがそうやって甘やかすからいけないんだ。」
「違えよ、里香が単純なだけ。」
「ハァ〜〜ル〜〜〜。」
毎日こんな感じだからか2人を止めたりする人なんて誰もいない。
かく言う僕もだけど。
「よしゃ!食うぞ!」
晃なんてオール無視だからね。
「「いただきます。」」
声を揃えていただきますをする。
個性が強くて賑やかだからこの場所にいて退屈なんかしなかった。
笑顔で頬張る颯太の口を拭くリュウ。
菫のジュースを取ってあげるハル。
楽しくて、時間が過ぎてしまうのがもったいないなって思った。