暁天の星
お腹がパンパンに満たされた僕たちは、菫ちゃんが見たがっていたパンダを見ることにした。
ぞろぞろと歩いていく途中で、なんだか懐かしいような気分が僕を襲う。
なんだろう。
なんてぼんやりと考えながらみんなの後ろを歩いていた時。
ガシっと首に腕を回してくる誰か。
「なにボケっとしてんだ?」
そう言いながら顔を覗き込んで来る。
黄金色に光る長い髪が鼻をかすめてむず痒い。
「晃。」
僕の呟きに、晃はガシガシと頭を撫でて歩幅を合わせた。
「わっ!」
「うわっ!何!?」
「びっくした?」
不意に僕を驚かせてくる晃の行動が読めなくて、心臓が跳ねた。
「びっくりしたよ!」
「お、笑った。」
そんなことを言われるとなんて返せばいいかわからないよ。
考え事してたこともお見通しなんだね。